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森林公園駅 地域とともに40年

9月20日、函館線の森林公園駅が開業からちょうど40周年を迎えました。これを祝って、駅と共に歩んできた地元の森林公園パークハウス町内会のみなさんが、心のこもったイベントを行いました。去年5月に、町内会の歴史を振り返る写真展を開催し、このブログでも取り上げさせていただいた町内会のみなさんです。今回も、森林公園駅と地域の歩みをまとめたパンフレットと約6分の動画を製作したと伺い、取材にさせてもらいました(動画は、こちらをクリックしていただくとご覧になれます。⇛森林公園パークハウス町内会のホームページ)。

パンフレットと製作者の岩田徹さん
1984年 駅東口から見た森林公園パークタウン

森林公園駅は、大規模な宅地開発が進められていた厚別北地区(当時は厚別町小野幌)の利便性を高めようと、札幌市やディベロッパーの三菱地所、地崎工業、厚別地区連合町内会などが「国鉄(仮称)森林公園駅設置促進期成会」を結成して国鉄に強く働きかけて作られた請願駅です。駅の用地はディベロッパーが提供し、約4億5000万円の建設費は期成会が負担しました。駅名は、宅地開発エリアの名称も「森林公園パークタウン」だったことなどから、要請段階からの仮称のまま「森林公園駅」となりました。1984(昭和59)年9月20日に開業。これによって、周辺地域の開発にも大きな弾みがつきました。

駅舎のなだらかな大屋根は丘陵地を表し、大時計の部分は地域のシンボルだった北海道百年記念塔を模して作られました。入り口にある見事なステンドグラスは、伸びゆく森林公園地域がモチーフになっています。国鉄札幌鉄道管理局の当時の局長はこの駅舎のデザインについて「これを機会に従来の国鉄駅のイメージを一新しようと」思ったと語っています(開業日の北海道新聞)。確かに、小さいながら、瀟洒で、地域の特色を反映した個性的な駅舎ですよね。去年の一日平均の利用者は5300人余り。地域の人たちに加え、近くにある札幌啓成高校や大麻高校の生徒も利用する、若さあふれる駅でもあります。線路の下を通る自由通路は駅の東西をつなぐ重要な生活道路になっていて、通勤通学時間帯にはかなりの人通りになります。

40周年の1週間前に駅を訪ねると、森林公園パークハウス町内会の人たちが、駅の待合スペースの一画に飾り付けをしていました。ボードには40年前の開業当日のようすや、駅周辺の宅地開発の状況を写した写真のパネルが貼り出され、駅と地域が共に発展してきたことが一目でわかる内容になっていました。その脇には、駅へのメッセージを書いてくださいと、付箋や筆記用具が用意され、高校生や住民などの利用者が思い思いのメッセージを書いていました。

そんなみなさんに駅への思いを聞いてみました。大麻高校2年の女子生徒は「冬、寒い中、学校から歩いてくると駅の中が暖かくてありがたいです」と。江別の野幌駅まで20年ぐらい通勤で利用しているという女性は「この駅は高校生が多いでしょう。若い人がいっぱいいるって、なんかいいですよね」と話していました。ボードに貼られた付箋には「生まれた時から自分の家のように。ありがとう」「これからも利用客に愛される駅であり続けて下さい」「私と同い年ですね。これからもよろしく」といった感謝の言葉があふれていました。中でも極め付けは、下の写真にあるメッセージです。

なんともいい話で、ジーンと来ました。駅って、こういう思い出がいっぱい詰まっている場所なんですね。それにしても、このメッセージを書いた「すすむ」さんって幸せな人だなあ、どんな人だろうと思っていたら、なんと、森林公園パークハウス町内会長の櫻井進さんでした。

一番前が櫻井進さん

さて、ちょうど開業40年となった9月20日には、40年前に開業セレモニーが行われた時刻と同じ午前9時すぎから、駅で記念のセレモニーが開かれました。森林パークタウン町内会のみなさんなど15人ほどが集まり、最初にみんなで「ハッピーバースデー」を歌いました。続いて、町内会長の櫻井さんが「駅ができた3か月後に、私たちのマンション群がスタートしました。これからも駅とともに町全体を盛り上げていきたいです」とあいさつし、久保田久則(くぼたひさのり)駅長に花束などが贈られました。これに対して、久保田駅長も「このような催しをしてもらって大変ありがたいです」と感激したようすでお礼を述べました。最後に、メッセージボードをバックにみんなで記念写真を撮りました。地域の開発とともに誕生し、以来40年にわたって地域を支えて来た森林公園駅。手作りのアットホームなセレモニーは、駅と住民との幸せな関係を象徴しているように感じました。因みに、利用者から寄せられたメッセージはスケッチブックに貼って、後日、記念写真とともに駅にプレゼントされるということです。

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