チャレンジ トピック

“健康”でつながろう!

 今月22日、サンピアザの「光の広場」が大勢の人たちで埋まりました。「ウィークデーのイベントにこれだけたくさんの人たちがやって来たのは本当に珍しいです」。会場の関係者もびっくりするほどの人でした。開催されたのは「新さっぽろ健康フェス」。今月22日・23日の2日間にわたって行われました。会場には、新さっぽろ駅周辺の再開発で新たに進出した学校や病院、それにデュオで営業している健康関連のテナントなど、合わせて11の組織のブースを設けられました。

札幌学院大学のブース

 このうち、札幌学院大学のブースでは、訪れた人たちが脳トレのための絵描きに挑戦しました。両手に鉛筆を持ち、同時に左右対称の円を描いていきます。私もやってみましたが、両手を同時に同じように動かすのはなかなかむずかしいんです。80代の女性は「こういうの大好きです。家に帰って練習しようと思います」と話してくれました。

札幌看護医療専門学校のブース

 札幌看護医療専門学校のブースでは、授業で使っている最新のハイテク機器が体験できました。上左の写真はVRホロレンズと呼ばれる装置です。これを付けると、レンズに人体が3Dで映し出されます。頭を動かすと、内臓や骨格、血管がさまざまな角度から映し出されます。人体を自由自在に探検しているような感覚になります。臓器の位置関係や構造が手に取るようにわかります。1年生の人体解剖の授業で、人体模型に代わって使われているということです。上右の写真は、歯垢を取る処置を体験できる装置です。白石区からやって来たお母さんと4歳の男の子が挑戦していました。男の子は「楽しかった」、お母さんは「やってみると、思ったより難しいです」と話していました。今の医学教育の一端に触れられ、とても興味深い体験でした。

交雄会新さっぽろ病院のブース

 交雄会新さっぽろ病院のブースでは、体の成分の測定が行われていました。装置に素足で乗り、両手でバーに捕まると、わずか20秒足らずで、体脂肪量や内臓脂肪量、筋肉量、基礎代謝量などの測定結果が示されます。順番待ちの椅子が足りなくなるほどの人気でした。測定してもらった人は数値の意味や、体質改善のポイントなどについて、病院のスタッフから説明を受けていました。このほかにも、光ったパネルにタッチする「モグラたたき」のコーナーもあり、来場者は楽しみながら体の状態をチェックしていました。

 メインステージでは、札幌市介護予防センターのスタッフによる「サッポロスマイル体操」や、札幌学院大学のお笑いサークルによる漫才、アイドルグループのパフォーマンスも繰り広げられ、さまざまな年代の人たちで賑わいました。2日間の来場者は約3200人に上ったということです。

 さて、今回の「健康フェス」は、「光の広場」で行われてきたイベントの中でも、画期となるイベントだったんです。主催したのは、再開発されたエリアを含め駅周辺のまちづくりを進めるために設けられた団体です。その呼びかけに応じて、再開発で進出した2つの学校(札幌学院大学、札幌看護医療専門学校)と3つ病院(交雄会新さっぽろ病院、新札幌整形外科、新さっぽろ脳神経外科)が参加しました。医療系の組織が多く進出したころから、「健康」というキーワードで連携し、地域住民にアピールしようと初めて挑んだのが今回の「健康フェス」だったんです。これに、サンピアザやデュオで営業している健康関係のショップ5店も加わりました。新たなエリアと先輩のエリアが大同団結して初めて開催したイベントだったんです。「みんなでまるごと、健康をつくる」というキャッチフレーズにはそんな思いが込められていたんです。

札幌のアイドルグループのステージ

 参加した「交雄会新さっぽろ病院」の相談員・千葉俊介さんは「病院を知ってもらういい機会になりました。これからも病院同士連携して、こういう活動を活発に行っていけたらと思います」と話していました。札幌看護医療専門学校教務部長の山田憲幸さんも「大勢の人たちが初めての体験をして感動してくれました。これからもやっていきたいですね」と手応えを語ってくれました。

大和ハウス工業 澤田樹奈さん

 「健康フェス」を企画した大和ハウス工業(再開発を主導したディベロッパー)の澤田樹奈さんは「病院やテナントの交流のきっかけになればと、去年12月から打ち合わせを重ねて来ました。お客様にも、参加した組織のみなさんにも喜んでもらえて、手応えを感じています。健康フェスを新さっぽろの恒例イベントに育てていきたいし、これを機に連携して地域を盛り上げていきたいです」と話していました。

 再開発エリアのまちづくりをめぐっては、大和ハウス工業などが設立した一般社団法人「新さっぽろエリアマネジメントに、4月以降、進出した学校や病院、企業も参加し、本格始動する見通しです。「健康フェス」はこうした動きへのいい助走になったのではないでしょうか。今後の展開に注目です。

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