チャレンジ トピック

50周年への助走

駅を彩る「ぬり絵展」

ズラリと並んだ色とりどりのぬり絵。その数110点。JR新札幌駅のコンコースの壁に、今、飾られているぬり絵です。駅が、輪郭線の印刷された用紙を置いておいて、利用客に思い思いのぬり絵を描いてくださいと呼びかけました。2歳の子どもから大人まで、多くのみなさんが参加しました。企画した駅員たちが描いた作品も展示されています。私が写真を撮っていた時も、通りがかったおじいちゃんとお孫さんが足を止め、大好きな列車の絵に見入っていました。さて、新札幌駅がどうしてこんなことを企画したのか。それは展覧会のタイトルを見ればわかります。

新札幌駅が誕生したのは、1973年(昭和48)9月9日。今月9日でちょうど49周年となりました。ぬり絵はその9月9日まで受け付けました。描いてくれた人には、49周年記念のオリジナル缶バッジがプレゼントされました。ことしで49周年ということは、来年は50周年、ちょうど半世紀になるんですね。ことしのぬり絵はそれに向けた助走とも言える企画だったんです。

「おでかけマップ」で地元PR

JR新札幌駅ではこのところ、駅員によるさまざまなチャレンジが始まっています。まずは「新札幌おでかけマップ」。「あっ、それ、私ももらった」という人も、少なくないのではないでしょうか。このマップは、新札幌駅周辺にあるレストランやカフェ、ショップなどを手描きのイラストで紹介したものです。ことし7月まで1年余りにわたって駅のコンコースのラックに置いて配布しました。好評を受けて近隣のJRの駅でも配布されました。累計の発行部数は7000部を超え、駅のみなさんの予想を上回るヒットとなりました。

このマップ、作り方がユニークでした。新札幌駅の利用客に呼びかけて、コンコースにあるホワイトボードに、駅周辺のイチ推しのスポットを書き込んでもらうアンケートを行いました。利用客参加型の企画だったわけです。その結果、100件ほどの情報が寄せられました。中でも勧める人の多かったお店を、駅員たちが実際に回って確認し、マップに落とし込んでいきました。イラストも駅員が描きました。製作の過程すべてが手作りだったんですね。マップには「デートプラン」「友達プラン」という二つのおすすめコースも掲載されています。正午に新札幌駅で待ち合わせをしてランチに行き、水族館やボウリングを楽しんだ後、スイーツを食べて帰るというもの。おすすめのメニューが写真入りで紹介されています。このほか、「開拓の村」行きのバス乗り場への経路なども載せています。この地域のよさをPRし、盛り上げていこうという駅のみなさんの心意気が感じられます。このマップの配布は既に終了しましたが、今、第2弾の発行に向けて、準備が進められているんです。

というのも、ことし7月中旬から8月上旬にかけて、コンコースのホワイトボードを使って、2回目のアンケートが行われたからです。題して「新札幌にしかないおいしいお店&スポットを教えて!」。ホワイトボードには、またまた、さまざまなイチ推しスポットが書き込まれました。なんか学生の寄せ書き風で、懐かしい感じがしますよね。「やっぱりこの店、人気があるんだなあ」という店名もあれば、全然知らないお店もありました。「サンピアザ水族館」や「青葉中央公園」といった書き込みもあり、新札幌の魅力が多様なことを感じさせてくれます。「おでかけマップ」第2弾がいつできるかはまだ決まっていないとのことですが、来年の50周年に向けて、いろんな企画を期待したいですね。

来年はエポックメイキングに

新札幌駅の50周年は、この地域全体にとっても大きな意味を持ちます。それは新札幌一帯のニュータウン開発がこの駅の開業とともに本格化したからです。駅の開業以降さまざまな組織・施設が次々とできていきました。そうしたものがこれから次々と50周年を迎えます。来年・2023年には駅のほか、厚別水再生プラザ、共栄小学校が、再来年には新札幌の開発を担ってきた札幌市の第3セクター「札幌副都心開発公社」が、25年にはもみじ台中学校、そして27年にはサンピアザやひばりが丘小学校が50周年を迎えます。できた順番に次々と50周年を迎える、つまりニュータウン新札幌全体が50周年モードに入ることになります。その先駆けとなるのが駅の50周年なわけです。

もう一つ、奇しくも来年は、新札幌にとってエポックメイキングな年になるということです。今進められている駅周辺の再開発が来年完成します。再開発を進めている大和ハウス工業によりますと、来年7月には地下1階、地上12階建て、約220室のホテルがオープンするほか、30階建て、220戸の高層マンション「プレミストタワー新さっぽろ」の入居も始まる予定です。秋には地上5階建て、およそ50店舗が入る商業施設「BiVi新さっぽろ」もオープンすることになっています。また、ドーコン本社ビルも来年9月には完成する予定です。

新札幌駅前再開発とシャトルバス発着場建設地

さらに隣の北広島には北海道ボールパークもオープンすることになっています。新札幌の駅前には、今、ボールパークとのシャトルバスの発着場が作られています。新札幌駅ではボールパークへのハブ・ステーションとして、利用者の大幅な増加が予想されています。これまではベッドタウンの「通勤・通学駅」というイメージが強かったと思いますが、来年以降は、「休日は新札幌へ」といった人の流れがこれまで以上に大きくなるものと見られています。楽しいことにアクセスできる「楽しさゲートウェイ」のような性格を帯びることになるのではないでしょうか。もともと大型ショッピングセンターに加え、「サンピアザ水族館」や「青少年科学館」「厚別競技場」「開拓の村」などの人気スポットもたくさんあります。こうした点在する資源をさらに有機的に結び付けていけば、いっそう魅力的なエリアになりそうですよね。来年の「新札幌駅開業50周年」は、駅はもちろん、地域全体の「これまで」、そして「これから」を考えるいい契機になりそうです。

「あつ!ベンチャー」としては、来年の9月9日には、みんなで♪ハッピーバースデー♪を歌って、新札幌駅の50歳の誕生日をお祝いできればと思っていますが、いかがでしょうか。

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