カルチャー

こんなロボットがほしい!

夏休みも終盤、「自由研究は何にしようか」と悩んでいる子どもや親御さんも多いのではないでしょうか。でも、そんな時に強い味方になってくれるのが、「ワクワクの不思議の国」我らが札幌市青少年科学館ですよね。私も子どもが小さかった頃はよく連れて行ときました。その科学館が、もうすぐリニューアル工事のため長期休館に入ると聞きました。その前にもう一度見ておかなければと思い、久しぶり「探検」に出かけました。

 雪のシャンデリア       スーパードリームライド

エスカレーターで2階に上ると、開館当初から親しまれている「雪のシャンデリア」が出迎えてくれます。「久しぶり!」と手をたたくと、明るく点滅して応えてくれました。動くカプセルに乗り、大型スクリーンで宇宙冒険を疑似体験できる「スーパードリームライド」は相変わらずの人気でした。もう部品がなく、補修ができないため、今回のリニューアルで退役することになっています。「お疲れさま。ありがとう」そんな思いのファンも多いのではないでしょうか。

休館前の最後の企画展は「あつまれ!ロボット学校大開放」でした。会場の入口には、ロボットに乗って写真が撮れるコーナーや、ロボットと合体してアームを動かし「身体拡張」を体験できる「スケルトニクス」があって、長蛇の列ができていました。会場内には、さまざまなロボットが展示され、センサーで感知し、コンピューターで情報を処理し、躯体を動かすというロボットの原理がわかるよう工夫されています。

そして、最後にあるのは「未来にはどんなロボットがうまれるかな?」といった質問に、自分の考えを書いて、壁に貼り付ける未来のロボットコーナーです。壁一面に色とりどりのポストイットが貼り付けられていました。子どもたちが、ロボットをどう思っているか、何を期待しているかがよくわかって、とてもおもしろいんです。たちまち見入ってしましました。

一番目立つのは面倒なことを代わりにやってほしいという期待です。「べん強をぜんぶやってくれるロボット」「宿題をしてくれるロボット たのむ!」。「たのむ!」の一言に切なる思いが感じられます。「むずかしいもんだいにヒントをくれるかわいいロボット」 問題をやってくれなくてもいいけど、ヒントをちょうだいという、ちょっと控えめな願い。かわいいのはロボットじゃなくて、あなたですよと声をかけたくなりますよね。「なくした物をさがしてくれるロボット」これは私もほしい!捜すだけでなく、警察に遺失物の届け出をして、銀行やクレジット会社にもすぐ連絡しほしい。モノを失くして気が動転している時に、こうした煩雑な手続きをやるのは本当にキツイんです。

おかあさんたちが書いたと思われるものもあります。「家事を全部やってくれるロボット」「冷蔵庫の食材でこんだてを作ってくれる。料理を作ってくれたらもっと良い」家事からの解放は長年の願望ですよね。ロボットが冷蔵庫に入っている食材を常に把握していて、その食材でできるメニューを提案して作ってくれる。食後に「もう少し薄味がいい」と感想を言えば、学習してくれる。そんなロボットがいずれは実現するかもしれませんね。会場の展示パネルにはロボットの語源について、チェコの作家カレル・チャベックが「robota(ロボッタ=強制労働)」というチェコ語を元に、戯曲の中で作り出した言葉だとありました。ロボットに家事をやってほしいという思いは、言葉の元々の意味にも通じるものがあるんですね。「若返らせてくれるロボット」「おなかいっぱい食べても、楽しくやせさせてくれるロボット」という書き込み。気持ちはわかりますが、この辺になると神様の領域かもしれませんね。

さて、子どもたちの書き込みを見ふていると、面倒なことを代わりにやってほしいということのほかに、もうひとつロボットに対して大きな期待があることがわかります。「友だち」という役割です。「人間の心をもつロボット」「いっしょにおにごっこをしてくれるロボット」「なやみそうだん お話ロボット」。どれも自分に寄り添ってくれるロボットを望む書き込みです。

展示会場には、ペット用に開発されたロボット「LOVOT」のコーナーがあり、大人気でした。このロボットは、人間に近い体温があり、声をかけると振り向き、見つめ返してくれます。そのつぶらな瞳を見ていると、愛着が湧いてきます。子どもたちも、何度も頭をナデナデして楽しんでいました。子どもの誕生日プレゼントに、ぬいぐるみではなく、ロボットをという日もすぐそこまで来ているのかもしれません。

青少年科学館は、リニューアル工事のため8月22日から休館します。札幌市生涯学習推進課によりますと、今回の改修は、科学館が1981年にオープンして以来最大のものになります。約8億9000万円をかけて約200点ある展示施設を大幅にリニューアルします。札幌らしく、雪や氷に特化したコーナーも設けられるということです。担当の逸見知之(へんみ・ともゆき)さんは、「みなさんに満足してもらえるようギリギリまで知恵を絞りたいと思います」と話していました。オープンは24年4月の予定です。1年半は長いけど、どんなワクワク、ドキドキにめぐり会えるか、楽しみです。

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2件のコメント

  1. すずき さんの発言:

    LOVOTの所で写真を撮っていただいた者です。過去記事含め拝見しました。しっかりとした取材と熱量で、楽しく読ませていただきました。
    一点だけ僭越ながらコメントさせていただきます。せっかくのボリュームと情報ですのに、ブログがなかなか出てこず閲覧するのが大変でした。
    今回は名刺にあったURLを直前手入力しましたが、URLを知らない方だと全く拝見できない状況にあると思います。
    (新しくできたばかりのサイトですと、Google検索に反映されるのに時間はかかりますが、もう解説されて数ヶ月経っているので…)
    ブログタイトルをGoogle検索にかけたりしても出てきませんでした。とても勿体ないと思います。
    可能であればSEO対策をされてみてはいかがでしょうか?
    解説時のサイトの設定がどうなっているか拝見していないので、詳しいことは分かりかねますが、費用をかけずとも少し設定をいじったり、
    Google検索でブログが出てくるようになれば、さらに閲覧数も増えると思います。

    当方広告関係の仕事をしておりますので、つい気になってコメントしてしまいました。
    もしよろしければ、サイトの設定や、SEO対策についてインターネットで調べてみてはいかがでしょうか。
    ありがとうございました。

    1. yamakenn3 さんの発言:

      取材にご協力いただいたうえに、感想・アドバイスまでいただき、ありがとうございます。検索ができなく不便だという状況は私も承知しております。ただ、六十の手習いで、パソコン教室に通ながら、なんとかブログを立ち上げた次第で、毎回記事をアップするだけでいっぱいいっぱいの状態です。SEO対策は、もう少しスムーズにブログを回せるようになった段階で検討したいと思います。コツコツと書き続けていく所存ですので、思い出した時にでもご覧いただければ幸いです。

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